進化を放棄した深海魚 その気怠く物憂い諦念 仄暗い水の底で想うは 月と太陽の微笑む丘 大地を駆け抜けて 微風と戯れる瞬間 だがこの久遠の牢獄を 逃れるに能わないのだ 自分を束縛する水圧の その鎖から逃れれば この醜悪な肉体は 破裂するのだから そして今日も深海魚は 丘の上に想いを馳せる 例えこの身が爆ぜても 進化せんと邁進する その勇気を持てず ただ想いを馳せる