魂の還る場所


さよならの合図

水の底

私はあの人を

直視することが

できなかった


うつむいて

ただ水底に

鏡のように映った

あの人の顔を

黙って見つめていた


夢は自分の心に

嘘をつかない

直視するのを

躊躇っていた現実



でも


時の最果て

命の尽きたその後

魂の還る場所


あの人は

私を笑って

赦してくれた


夢は自分の心に

嘘をつかない

本当に望むものは…


崖の上

広大な海を目の前に

あの頃と同じように

他愛もない話を

ずっとしていた


その暖かさが本当に

心に痛かった


自ら叩き壊したもの

本当はもう

二度と取り戻せない

あたりまえの時間


心は未だ

疼き続けてる

涙は未だ

流れ続けてる


こんな愚かな自分は

叩き壊したいのに

壊れちゃえばいいのに

壊れちゃえばいいのに