人間じゃない


もう人間じゃない

今までみんなは 黙ってくれてたけれど
でもその双眼が それを物語っていた

それは侮蔑の眼差し 憐憫を含む眼差し
心の奥底までえぐる そして切り裂く


人間じゃないから

天国にも行けない 地獄にすら行けない
還る場所がない どこを探してもない

荒れ野の果てで生まれ そして朽ち果て
雨ざらしにされて 省みられないまま


人間になりたくて

自分は人間だと 心のどこかで信じてた
だから今まで ずっと耐えてきたのに

人間じゃない 人間になれないと知って
存在意義を見失う自分 いらない自分