虚無の少年


森羅万象に
今生の別れを告げ
少年が
虚無の世界に
旅立つ刹那

嗚咽
そして慟哭

断ち難い未練
悔恨の思い

その全てが
浄化され行く


精神の
今際のきわに
少年は
極彩色の夢を見た

エスの深淵
カオスの縁
安定と混沌の
分水嶺

遙か彼方に見えた
最後の覚醒の兆候
全てを無に帰す


やがて少年は
虚無を許容し
そして同化した

すなわち
少年は神となった