君は遠い星のひと


君は遠い星のひと
僕には
君に触れる権利なんて
なかったんだ

からっぽの部屋
君のいた部屋

コーヒーも
冷め切らないのに
帰っちゃうんだね
話もロクに
聞いてくれない
やっぱし
私なんかより
家庭が大切なんだ

って

置き手紙
からっぽの部屋
君のいた部屋

ゲームセンターの中
UFOの頼りない腕で
二人で捕まえた牛
ボロボロに破かれて
部屋の隅に転がって

君の部屋の中
頼りない愛の形を
二人確かめあった夜
もう破れた恋なのに
心の中心に留まって

君の白い腕で
ボロボロに裂かれた牛
僕も君の心を
ボロボロに
裂いていたのだろう

君は遠い星のひと
家庭という
安住の星にいる僕には
君に触れる権利なんて
最初から
なかったんだ